第38回福島県特別支援教育センター研究発表会
令和5年12月1日(金)福島県環境創造センターコミュタン福島にて、第38回研究発表会を実施しました。「『Well-beingの実現に向けた特別支援教育の充実』~すべての子どもの可能性と個性を伸ばし、多様性を力に変える 教育を目指して~」と題し、来場者、オンライン参加者合わせて約200名の皆様に御参加いただきました。
午前は、開会式に続き、調査研究発表、長期研究員発表、教育研究発表、教育相談係実践報告を行いました。
所長あいさつ
○調査研究発表
「小・中学校、高等学校における特別支援教育の充実に向けた研修の在り方
~特別支援教育の資質・能力を育成するために必要な研修内容・研修体系の再考~」
○教育研究発表
「特別支援学校高等部における自立と社会参加につなげる自立活動の指導の在り方
~生徒が学習の意義を理解して、主体的に学ぶ姿を目指した実践研究~」
○長期研究員発表➀
「通常の学級における特別支援教育の視点を取り入れた保健体育科の授業の在り方
~生徒が運動の楽しさや喜びを味わえるための個に応じた効果的な指導と支援~」
○長期研究員発表➁
「特別支援教育の視点で児童のつまずきを捉えた音楽科の授業づくり
~つまずく要因の把握と個に応じた指導の工夫~」
○教育相談係実践報告
「すべてを明日の力に変える教育相談 〜共に悩み、共に考え、共に喜ぶ~」
午前の発表後は、調査研究と教育研究に加えて、1年次の長期研究員と福島大学教職大学院生によるポスター発表を行いました。教育研究のポスター発表では、各研究協力校の先生方にも御協力いただき、実践の様子について発表しました。
長期研究員(1年次) 福島大学教職大学院生
教育研究 調査研究
引き続き、教育講演を開催しました。NPO法人東京都自閉症協会役員 綿貫 愛子先生に、「多様性を力に変える教育のための子どもたちの理解とかかわり」とのテーマで、発達障がい当事者の視点から特別支援教育について御講演をいただきました。
ご自分の経験や現在の取組を通して、発達障がいの方の見え方や感じ方、コミュニケーションや支援の在り方などについて、詳しく、分かりやすく御講演いただきました。また、御講演の中で、「『支援』が本人の思いを置き去りにし、周囲に合わせて行動できることのみを目的としたものになっていないか?」との問いをいただきました。
この問いは、Well-being、自立活動、教員研修など、今回の発表会の内容すべてにかかわる、重要な問いであると感じました。
参加者からは、「自分が良かれと思って支援していることが本当にその子のためになっているのか考えたい」、「本人の個性や願いなどに目を向けた支援をしていきたい」、「押し付けにならないように児童生徒の自己決定を大切にしながら指導・支援をしていきたい」などの感想が寄せられました。また、一日を通しての感想では、「学びの多い充実した一日だった」との声を数多くいただきました。
発表会の開催にあたって、御参加・御協力いただきました多くの方々に改めて御礼申し上げます。